初心者向けレアジョブ学習法
レッスンの基本的な心構え
学校の授業や英会話スクールではどうしても「指示待ち」の受け身スタイルとなりがちですが、レアジョブのレッスンでは積極的なスタイルが必要です。
レッスン内容は公式テキストなど定型的なものもあるにはありますが、基本的なレアジョブレッスンのポリシーは「なんでもあり」です。誤解を恐れずに言うと「25分間、準ネイティブスピーカーとのスカイプ通話時間をアサインするので、どうぞ好きなことをやってください」ってな感じです。
私は、とあるビジネス文書の英訳をスカイプチャットに貼り付けて、添削と、「この一文を強調した文章にして顧客に送りつけたいのだけど、どうしたらいいですか?」と赤ペンをお願いしたこともあります。
基本的にレアジョブの講師は受講者のリクエストをどんどん受け付けるようになっています。逆にいうと講師から学習提案というのはないに等しいと考えた方がいいです(ただし講師に「私、何やったらいい?」と聞くと、レベルにあったテキストや内容を勧めてくれます)。億劫にならずどんどんリクエストしましょう。
レッスン内容についても、たとえば、今日はこのニュース記事の話題をしてみようとか、前にうまく話せなかった話題についてもう一回トライしてうまく話せるか確認しようとか、積極的に受講者側で目標設定や取り組みを考えるのが効果的だと思います。
また、「レアジョブ学習法の弱点」でも書きましたが、オンライン英会話の宿命として、解答を知りたくてもわからないケースが発生します。「レッスンの復習が最も重要!」にも書いていますが、自分で復習のやり方を確立して、解答を得るプロセスを構築する必要があります。
こういった心構えはレアジョブレッスンに限ったことではないと思いますが、特にレアジョブレッスンでは強く要求されるものです。自分の目標と現状を自分で管理して、自分でハンドリングすることが肝要なのです。
とはいっても、初心者のうちは、「こうしてほしいんです」というリクエストを英語で発言する自体、難しいものですから、最初は推奨テキストに沿って講師主導のレッスンと、その録音の復習が中心になってきます。しかし、上達してくると、だんだんコミュニケーションできること自体が楽しくなってきて、いやおうなしに積極的なスタンスになっていくはずです!
レアジョブを中心にトレーニングを組み立てよう。レアジョブレッスンが全てでない!
「5000円で毎日25分のオンライン英会話」がキャッチコピーのレアジョブですが、初心者は毎日25分のレッスンのみに集中すれば、メキメキと英語力が伸びるのでしょうか?
答えはNOです。当たり前ですがこれだけでは不十分です。というより初心者のトレーニングとして効率が悪いと思います。
「日々の英語基底能力のトレーニング」「レッスンの予習・復習」の2つが他に必要になってきます。
レアジョブは、生きた英会話を通してのボキャブラリーや文法の運用力、反射的に英文を理解し反射的に思ったことを英文として口に出す能力は鍛えられますが、そもそもボキャブラリーについてはその場では身につかず、また英作文能力、文法など基礎英語力は、講師の話に集中し、英文を詰まりながら頭でひねり出している状況でレッスンから吸収するというのはとても難しいと思います。
レアジョブのレッスン25分間のみを毎日受講し、あとは何もしないとしたらどうなるでしょうか?おそらく、洋楽を意味わからず聞き続けて結局いつまでたっても聞き取れないのと似たような感じで、学習効率がすごく悪いと思います。
初心者は、レアジョブと並行して、以下のトレーニングを、書籍やCD-BOOKを用いて行うと効果的だと思います。
- 英文法
- クイック・トランスレーション
- 音読、リピーティング、シャドーイング
- ボキャブラリー構築
さらに、初期のレッスンでの会話内容はボロボロでしょうから、予習・復習も重要になってくるわけです。
私は、独学トレーニングを「英語基底能力の構築」、レアジョブのトレーニングを「現状レベル認識および英語知識の運用定着」の場と位置付けてトレーニングしてきました。つまり独学はピッチングマシーンのボールを打ち、レアジョブで本物のピッチャーの生きたボールを打つ、というイメージで考えています。
しかし、こう書くと、「初心者は独学で十分トレーニングしてから、レアジョブをやった方がよさそうだ。いきなりオンライン英会話なんて敷居が高い」と思う方もおられるかもしれませんが、私は独学とレアジョブの並行トレーニングをすることをお勧めします。
と、いうのも、独学は速攻ですさまじい飽きが来るのです。怒涛のように飽きが来ます。さらには苦痛になってきます。何しろ相手は人間ではなく、本や音源を相手に何度も何度も同じことを繰り返す「反復トレーニング」が基本ですから、あまり進歩の実感がないし、徐々に退屈になってきてモチベーションが切れはじめ、しまいにボケーッと読んだり聞いたりさぼりがちになったり、と効果の薄いトレーニングに陥りがちです。
独学トレーニングを意義のあるものにするには、まずはレアジョブの講師とそれなりに会話できるようになることを目標に設定しましょう。講師との会話は楽しいものですし、言いたいことが伝わると嬉しいものですし、「あの時こういったつもりだが伝わらなかった」「こう言いたかったがうまく言えなかった」というと悔しいものです。こういったレアジョブのコミュニケーション上で発生した向上心は独学トレーニングに対するモチベーションとなり、トレーニングが好循環するのではと考えています。
なお、文法トレーニングはレアジョブの初心者用テキストにも文法コース(grammar)がありますが、個人的には独学でやってしまった方が早い(効率が良い)と思います。詳細は「初心者が選択すべきテキストは?」にて。
初心者が選択すべきテキストは?
レアジョブでは、初心者向け公式テキストとして「文法(grammar material)」「英会話(conversation material)」「TOEIC」が用意されており、無料でダウンロードできます。無料の割には結構充実しています。またarticle discussion(ニュース記事をトピックに会話する)用のサイトがあり、レアジョブが日々更新していますので、このサイトを見ながらレッスンを受けるというのもあります。
初心者はまずフリーカンバセーションは太刀打ちできませんし、どれかテキストを選び、最初から順にやっていきましょう。
では最初はどれを選ぶべきでしょうか。個人的には英会話(conversation material)がいいと思います。
レアジョブの講師は最初、基本的に文法(grammar material)を勧めてくるみたいです。実際のところ、学習の順序としてはそれが正しいと思うのですが、わざわざスカイプで教えてもらわなくても独学でできますし、毎日少しずつしか進まないので、独学でやった方が断然ペースが早いです。もちろん文法テキストでも当然会話が発生するので、無駄というわけではありませんが。
英会話テキストの場合、自分で英文を考えて発言や会話をしていく内容が多いです。これは逆に独学ではできないものです。
私も最初の講師に文法を勧められたので、言われるままに文法テキストを受講していましたが、途中で英会話テキストに変えました。それは上記のような理由からです。
あと、TOEICテキストは、初心者がいきなりやるようなものではないでしょう。「英会話が目標でなくTOEICだけが目標だ」という人は別かもしれませんが。
ちなみにTOEICテキストはTOEIC対策として効果はあるのでしょうか?私は受講したことがなかったので、この記事を書くために二回だけレッスン受講してみましたが、うーん、正直言って個人的にはCDつきのTOEIC対策問題集をバシバシやった方が早いと思いますね。なにせ速解・速読の世界ですからね。あまり学習と関係ないですが、TOEICに関する私見をこちらに書いてますので参考まで。
初心者のレッスン頻度は?
これは受講者の置かれた生活環境ややる気にもよりますが・・・
基本的には英会話は「やればやるほど成長する」ものなので、理論上はMAXの毎日2コマ50分が一番いいとは思います。
しかし、初心者のうちは、簡単な英文を解釈すること自体に時間を要する状態です。独学の時間ウェイトも高く、また別に記載している「レアジョブレッスンの復習」において、初心者のうちは相当時間を要するはずです。これをすべてこなせるだけの時間的余裕がたっぷりある人ならいいですが、現実的には皆さんお忙しいでしょうから、そういう人はレアでしょう。
毎日1コマ25分でも予習や復習の時間を含めると、結構な時間も英語のため消費することになるので、十分だと思います。また初心者はレッスンのうち会話部分は全くできない状態ですから、無理に毎日50分やるのはかえって効率が悪いかもしれません。
私は最初、とりあえず毎日1コマ25分から始めました。レッスン当初では頭から煙が出っ放し状態で体力もかなり消耗したので、とても50分やるのは無理な状態でした。しかし、だいぶ英会話に抵抗がなくなってきたところで毎日50分に変更し場数を増やすことにしました。その後、仕事が忙しいため毎日25分に戻しています。50分に場数を増やす目安としては「復習時間をあまりとらなくてよくなる頃」で、具体的には、「相手の言うことを知らない単語以外は聞き取ることができ、自分もある程度言いたいことが正確に言える(ボキャブラリーはかなり不足状態であっても)」状態です。
要は英語基底能力がかなり上がってきていているフェーズでは、毎日50分でもそんなに負荷がありませんので、継続できるだろう、ということです。
もちろん、英語に費やす時間がどれくらいとれる「生活環境にあるか」に大きく依存します。毎日レッスンを受ける必要はないわけです(むろん毎日受けるともっとも単価は安くて済みますが)。独学トレーニングの反復メニューや、レッスンの予習・復習をきっちりやろうとすると、1日あたりすさまじく時間がかかります。毎日朝早く出勤し、毎日残業で帰宅が遅い人は、全部こなすのは相当きついと思うので、1日は独学中心、1日はレアジョブ中心として中1日を交互に繰り返すなど、現実的でかつ継続的であるトレーニングメニューを組み立てましょう。
ちなみに、私の「毎日」の使い方ですが、通勤時間はiPhoneだけで完結するようなトレーニングの時間に充てるようにし、何か用事がある(飲み会など)場合や極度に体調が悪い場合などを除き、特に理由がなければ毎日レアジョブを受講することを「掟」として自分に課していました。また学習効果を下げうる「晩酌」も極力しないようにしました。
レアジョブと独学トレーニングをいかに日常生活に組み込むかがポイントになると思います。最近はレアジョブも早朝レッスンができるようになりましたので、いっそのこと今までの生活リズムにメスを入れるのも一考の価値ありでしょう。
レッスンの予習をしよう
「毎日25分のレッスンで英語力上達」のレアジョブですが、何度もしつこいですが、25分とはレッスン時間であり学習全体の時間ではありません。独学トレーニングはもちろんですが、レッスンの予習を行うとより効果的でしょう。予習といっても学校の学習のように、宿題をゴリゴリ行うというものではありません。
毎日のレッスンの最初に雑談(今日の出来事など)の機会がありますので、ここで話すトピックを見つけておいて、それを頭で軽く英訳しておくというのが効果的です。つまり3~5分程度の雑談ができるようにトピックとキーワードを準備しておくのです。
レアジョブの講師は、だいたいレッスンの最初にHow have you been today? とかWhat’s new?とかsmall talkが始まります。
ここで、毎日、暑いだの寒いだのとか、いつものように仕事して残業して疲れたとか、疲れて眠い、とかばかり話していると絶対上達しませんから、トピックにバリエーションを持たせるようにしましょう。そのためには日ごろから「今日の話すネタとなる出来事がないかなあ。」と意識することが必要です。今日はなにもネタがないなあというときは人の話をパクるのもいいですし、先日あったことをあたかも今日あったかのように話をするのもいいかもしれません。あくまで英会話能力の上達という目的のためであれば、多少の作り話も許されるのではないかと思います。
トピックが見つかったら、だいたいこんな内容を話そうと日本語でセンテンスを考え、それを英訳します。そうすると初心者のうちは「あれは英語でなんて言うのだろう?」という英訳できない単語や表現がいっぱい出てくるでしょうから、電子辞書でもネットでもなんでもいいので事前に解決しておきましょう。文章を事前にぜんぶ書きとめる必要はないですが、話したいキーワードは忘れないようにメモしておいた方がいいかもしれません。
初心者のうちは、この程度の予習でも結構時間を食うと思いますし、負荷もかかります。私は、結構面倒くさいなと思ったので、しばらくの間、同じ話をあたかも今日あったことのように話していました。しかし、これでも前回言えなかった文章が今度は言えたりと、英語品質を一歩進めて徐々に磨きがかかっていくので(しかも講師のリアクションは人それぞれ違う)、十分いいトレーニングになると思います。
また、公式テキストでも、最後のExerciseにフリートーク(free talk)の設問がありますので、ここでも余裕がないうちは話したいキーワードを事前にメモしておきましょう。
初心者のレッスンの進め方
私が初心者のころの経験を踏まえ、初心者向けのレッスンの進め方を書いてみます。私の場合、英会話スクールに6か月通っていましたので(中途半端な学習しかしていませんでしたが)、その辺は個々の状況に応じて目安から割り引くなりして考えていただければと思います。
まずは英会話トレーニングに生活リズムを慣れさせること
まずはレアジョブのレッスンと日々のトレーニングのサイクルに慣れることが肝要です。初心者のころは基底がなってないので、学習時間も結構食います。毎日の生活リズムにトレーニングが取り込まれるまでは、無茶はやめておいた方がいいと思います。
とりあえず公式テキストに沿って一からやっていきます。最初はこのレベルでも結構うろたえますので、事前に読んでおいた方がいいです。何より日本語の通じない方との会話は結構な精神的負荷がかかります。
自己紹介がすいすいとできるようになりましょう。最初は初めての講師ばかりなので自己紹介をやる頻度が高く、言い馴れてくると思います。レッスンの前の雑談が、まあなんとか、というレベルでいいので、3分ぐらいできるようになりましょう。
日々のトレーニングとレッスンが当たり前の日常になってきて、レッスンに抵抗がなくなり、生活リズムに取り込まれたら、次のようにレッスンにメリハリをつけていきます。
徐々にメリハリをつける
レアジョブの公式テキストの中には、英作文能力をあまり必要としない穴埋めや並びかえのExerciseがあります。これは独学で十分できるので、慣れてきたらここはすっ飛ばすようリクエストし、テキストの最後のExerciseであるFree talkの時間を厚めにとります。要はレッスン中に英語回路をブンブン働かせないといけないExerciseに絞り、ここに時間をいっぱい割くのです。ここで反射的な英作文能力と英会話運用能力を鍛えましょう。
ちなみに、Free talkとは、テキストに質問が5つ書いてあり、講師がこの質問を最初に投げかけてきて会話をスタートさせますので、あとは自由に会話するというものです。お題はあるものの、事前に設問を見ておいてある程度会話のネタを考えておかないと、初心者にはきついです。
また設問ではなく、あくまで自然な会話に慣れるという目的で、機会があればどんどん関連する別のトピックに脱線を試みましょう。
英会話の時間を長くとると、最初はかなり疲れます。25分が結構長く感じるかもしれません(私はそうでした)。
あと、音読のExerciseは飛ばさず、発音をチェックしてもらうのもいいかもしれません。ちなみに私はどう発音したらいいかわからない箇所をピックアップしてそこだけやっていました。この場合、レッスン中だけの音読では全く不十分ですので、録音を聴きながらレッスン後にさらに繰り返し音読します。
たまにフリーカンバセーションをやってみる
上記のトレーニングをひたすら継続しますと、徐々に特定の言い回しや文型がスムーズに言えるようになり、得意分野が形成されてきます。またテキストにもちょっと飽きてきます。そうなってきたらテキストを使わないフリーカンバセーションをたまに織り交ぜてみます。例としては「フリーカンバセーションに挑戦」を見てください。
基本的にやることはテキストのFree talkと変わりませんが、題材などまったくよりどころがありませんし、復習もかなり時間がかかり、学習負荷は高いです。英会話スキルが低いうちは負荷が高くてそんなに回数できませんので、ほどほどに織り交ぜてみます。
あまりにも講師の話が聞き取れない、かつ生徒も途切れ途切れで詰まりまくり、の状態では、冷汗ばっかりかいて学習効果はほとんどないのではと思います。その場合は前のステップに戻すといいと思います。
こんな感じで進めていくと、ある日、会話の中で英文が反射的にズバーンと口から飛び出し、「あれ?」と驚く瞬間に直面します。これはなかなかの快感です。
レッスンの復習が最も重要!
「レアジョブ学習法の弱点」でも書きましたが、講師の言ったことが理解できない、聞き取れないなど、いわゆる「解答が分からないまま終わってしまう」ことがあります。したがってレッスンの復習は必須なのですが、その方法は今のところレッスンを録音するしかありません。
初心者のうちは必ず「レッスンの録音による復習」を必須で行ってください。これをやるかやらないかでレッスン効果がまったく異なると思います。
スカイプ通話を録音する
スカイプ通話を録音して、聞き直すという復習法です。ツールはTapurというフリーソフトが優れており、私はこれを使用しています。
Tapurは操作も簡単で、お手軽に通話録音と再生ができます。これでわからなかったところを徹底的に聞き直しましょう。また、自分のお粗末な会話も聞いて現状認識しましょう(笑)。最初のうちは、オロオロする自分の声を聴くと恥ずかしくて泣きそうになります・・・
私は当初、Tapurの存在を知らず、そこそこ時間がたってから存在を知り、それ以来、愛用しています。現在は、レッスン録音なしの学習はあり得ないとまで考えています。それまでは録音せずにやっていました。しかしこれは、大げさにいうと、トランスクリプトのない英語ニュースをひたすら何回も初心者が聞くようなものです。「何を言っているかわからなかったけど、そのうちわかるようになるのだろう」を繰り返していても絶対に進歩しません。
復習ポイントは2つです。
- 講師の聞き取れなかった発言を、聞き取れるまで何度も聞き直す。ちょっと聞き取りに自信のない箇所もクリアーになるまで聞き直す。
- 自分が言いたいことをうまく言えていないところについて、正しく英作文する。すっと出てくるように繰り返し何度も発声する。
これは、やってみるとわかりますが、かなり時間がかかります。レッスンを丸ごと再生するとなると25分、しかも聞き取れないところを繰り返し聞くともっと時間を要します。
当然、英会話レベルが低ければ低いほど時間がかかってしまいますので、徐々に辛くなってきて挫折しがちになります。しかし、復習の効果は抜群だと思いますので絶対に怠らないようにすることが肝要です。私は最初、復習だけで1時間以上軽くかかっていました。
あと、録音を何度聞いても講師が何を言っているのか聞き取れない場合、その講師はしばらく避けた方がいいかもしれません。相性というか、人によって聞き取りやすい・聞き取りにくいというのがあるみたいです。
とはいえ「何が何でもその場で聞き取る」という姿勢を!
どうせ録音しているのだから、「何が何でも」といっても・・・となりそうですが、聞き取れるまでその場でしつこく聞き返すことは重要です。
基本姿勢としては、”I beg your pardon.” などと連呼しまくって「その場で解決」を試みてください。2回聞き直してもわからないと気力がなくなったり、恥ずかしくなったり、しまいに不機嫌になるのではないかとか思ったりして、それ以上聞くのが億劫になりがちですが、気にせず執拗に聞き直した方が良いと思います。
よく私がやってしまっていたのは、講師のセンテンスの中の部分的なキーワードと会話の流れから、だいたいこういうことを話しているのだろうなと推測する「推測聞き」ですが、これは基本的には聞き取れたことになっていません。ましてやレアジョブの講師は初心者相手には平易な単語の文章しか話さないので(ニュースなどと違って)、このレベルで推測聞きをやってしまうと、正確な意味がわかっていないのにわかったような気になることがクセになってきます。この場合もしっかり聞き直しましょう。
ちなみに私は最初の頃、講師がセンテンスを発するたびに「全文理解不能」になっていたため、だんだん恥ずかしくなってきて、途中で全く聞き取れないにもかかわらず”I see.”と連発していました。これはやめましょう。これではいっさい進歩することがありません。
講師はpardonを連発する日本人を腐るほど見てきているので、気にすることはありません。どんどん聞き直しましょう。
スカイプのチャットを多用してもらい、復習に役立てる
レアジョブの講師はよくスカイプのチャットを使いますが、人により使用頻度や使用局面はまちまちです。わからない単語や会話はもちろん、今言ったこともずうずうしくチャットに打ってもらうようお願いしましょう。目的は後で見返すためです。
“Sorry, please type what you’ve just said.” と言えば、チャットにタイプしてくれます。
あとで見返す際には、受講者側の発言の中のキーワードを発言と同時にチャットで打っておくと流れが見やすくなります。
スカイプのチャットは履歴として残りますので、復習でも使えます。チャット履歴は基本的にピンチ時のやり取りですから、読み返すと結構記憶にも刷り込まれます。
最初のうちはチャットの時間ロスより、聞き取れないまま終わる方がロスが圧倒的に大きいですから、時間がもったいなくてもチャットを打ちまくってもらった方がいいです。
フリーカンバセーションに挑戦
フリーカンバセーションは初心者にとって最初の目標といえるのではないでしょうか。
フリーカンバセーションは、私は大きく分けて2つのトレーニングのパターンがあると考えていて、一つは雑談の延長、もう一つはテーマとなるトピックをしっかり定めて説明や意見交換を行うというものです。
雑談の延長をなんとなくやってみる
今日の出来事や面白かったことなど、普段友人と会話しているような雑談的なトピックで引っ張ります。
基本は話が切れると講師が質問をひねり出してくれるので(講師の技量にもよりますが)、あまり準備してなくても大丈夫ですが、自分の得意でない領域(=ボキャブラリーのない領域)に話が行ってしまうと受け答えが厳しくなってきます。
最初のうちはこれで自分の実力の現状認識をしてみましょう。
ただ、どうしても適当な他愛のない受け答えの連続になってしまうので、あとで終わってから、結局、何について話していたのかわからなくなったりします。そういう意味では慣れてくると得るものは少なく、次のテーマを定める方法の方が学習効果としてはいいのかもしれません。ただ、私は時間がないときはこのパターンが多いです。
テーマを定めて説明や意見交換をする
テーマを事前に定めて、それについての自分のかかわりや意見、また説明してみたいことなどを事前に整理して行うものです。
これらの情報整理と、わからない単語の英訳など、準備は非常に時間がかかり大変です。したがって1テーマについて複数の講師に使用してみましょう。2回目、3回目はよりうまく言えるのではないかと思います。
ポイントとしては興味のあるテーマにすることで、あまり興味のない時事ネタなどを無理にやるより効果は高いです。というのも、興味のある分野のボキャブラリー習得は興味のない分野に比べてすごく早いんだそうです(逆に言うと興味のない分野はすぐ忘れてしまう)。
たとえば私はよく下記のテーマを使いました。他にもまだまだありますが一部をご紹介します。
- ミクシィの説明 (概要の説明、フェイスブックとの違い、なぜ日本で人気なのかの意見)
- 物価について (自分が最近お金を支払ったものやサービスについて、フィリピン価格を聞いてみる。ものすごい差です。ちなみに通貨はフィリピンペソで、どんぶり勘定なら2倍すると日本円になる。レートはこちらを見てください。)
- ウルトラマン (私と私の子供のかかわり、何が魅力なのか、ウルトラマンとウルトラセブンの違いは何か、フィリピンでの扱いは)
- 四季、特に冬の日本人の生活習慣などの説明 (暖房器具や衣替え、ちなみにフィリピンには雨季、乾期はありますが、四季と呼べるようなものはありません)
テーマを語る上で注意したいことは、講師の意見もどんどん聞いてみる、「このニュアンスを伝えたいのだけど英訳がわからない」という抽象的なものの説明についてどんどんトライする、といったところです。たとえばミクシィが日本で他を差し置いて流行した理由として日本人のオープンにしたがらない性質的なものがありますが(総じてこの日本人気質を英語でconformityといったりします)、こういった抽象的な表現を含むものを説明できるようになるとかなり力が付きます。
なお、レアジョブは公式に編集したニュース記事によるarticle discussionを勧めていますが、テーマ的に興味がないものであればこれは用いず、それよりも自分も会話していて楽しくなるようなトピックの方がいいと思います。
発音や文法のミスはどんどん訂正してもらおう
レッスンが始まったときに、発音ミス(wrong pronunciation)や文法誤り(grammatical mistake)はその場でどんどん直してもらうよう、レアジョブの講師にお願いしておきましょう。
誤りを誤りと認識することなく流れるよりは、その場で話を止めても突っ込んでもらった方が良いと思います。特に発音は独学で誤りを気づいて認識することはほとんどありませんからね。
ここで、文法は多少間違っていても、通じればいいじゃないか!という意見が聞こえてきそうです。私も、発音や文法的な誤りを気にしすぎて会話がゴツゴツの途切れ途切れになるよりは、多少の間違いは目をつぶってgo-go-go!ぐらいの方が上達は早いとは思います。
ですが、わざわざ誤った言い回しが口に定着してしまうのはもったいないので、どんどん訂正してもらった方が良いと思います。たとえば私はprovide ~ with をprovide ~ to と誤って口に定着させてしまいました。これに関して訂正してもらった記憶がありません。一度定着してしまうとしつこく言い間違えてしまいますので注意です。
また初心者は時として、センテンスが完全崩壊した発言を崩壊の自覚ありでしてしまいます。必ず、正しい文章に直してもらって、チャットに打ってもらいましょう。
初心者向けの講師の選び方
レアジョブはすごい数の講師がいるので、誰を選んだらいいのか迷って途方に暮れてしまいます。
また、レアジョブは担任制ではない上、予約も最大2コマ(毎日50分の場合)しかとれないので、たとえば特定の講師のレッスンを毎日受けようとしても、講師のスケジュールの都合により自分のスケジュールが左右されてしまいます。
したがってレッスンを受けた感想が悪くなければ、レアジョブのブックマーク登録機能を用いて、どんどんブックマークに登録しておきましょう。複数の講師をウォッチしておくと自分のスケジュールも組みやすくなります。ちなみに相手の講師にはお気に入りに登録したことは通知されません。
基本的に、初心者はレッスンスキルの高い講師を選択したほうがいいです。レッスンスキルが高いとは、「話を切らさないように適切な質問をしてくれる」「ミスをうまく訂正してくれる」「初心者ブロークン英語でだいたい何を言おうとしているか理解できる」といったところが考えられると思います。あとはフィーリングでしょうか。
逆に、レッスンスキルが低いとはその裏返しで、「話が切れて無言時間ができる」「ミスが放置される」「初心者ブロークン英語が聞き取れていないのに、適当に相づちをうつ」といったところです。
だいたいレッスンスキルが高い講師=人気講師です。
レアジョブは講師の評価を公開しておらず、また人気度合で検索するようなワザもありませんので、結局のところ地道にいろいろな講師にトライしていくしか手はありません。
一応、プロフィールに「初心者マーク」がある講師は、初心者向け=スキルが高い講師、という意味だそうです(私はレアジョブ講師なりたてのことだとずっと勘違いしていました)。講師の予約状況を見るとだいたい人気度合がわかります。先の日程に予約が比較的入っている講師はある程度期待できます。逆に先の日程はおろか本日ですらフルオープン状態の講師は期待薄の可能性があります。
中には先の予約がびっしり埋まった「超人気講師」もいます。ですが、そもそも好きな時に予約できない、というより予約自体困難なので、「中人気講師」をたくさん発掘しておくといいと思います。何回か「超人気講師」のレッスンを受けましたが、そんな感動するほどの差はありませんので「中人気講師」で十分です。
また、講師によっては毎日びっしりレッスンを行っている人もいれば、週に数時間の人や「幽霊部員」のように全然予定のない人(日本の登録制家庭教師のような感覚でしょうか)など、稼働頻度もかなり差があります。一概には言えませんが、頻繁にレッスンを行っている講師の方が、レッスンスキルが高い傾向にあるようです。予約も取りやすいし、そちらの方が良いでしょうね。
あと、スカイプの音質にも注意しましょう。一度、音質が悪いなと思った講師は、だいたい毎回、音質が悪いです。ネットワーク環境によるものでしょうか。
ちなみに余談ですが、予約していた講師が急きょキャンセルになった場合、ブックマーク登録している講師が優先的に代替レッスンになることが多いみたいです。